自動車損害保険のプロが教える原付との事故について。
原付の事故でよく起きる問題が、4つあります。
相手が原付の場合は、体の露出部分が多く、どうしても怪我の程度が大きくなるケースが多いです。そのため、人身事故の示談が長引くことが多いです。
保険に加入していれば、示談交渉は保険会社が代行してくれますが、示談交渉以外のお見舞い等も保険会社と相談の上で指示を仰いで行っておいた方がその後の交渉がスムーズにいく事が多いでしょう。但し、悪影響になることもあると思いますので間に立っている保険会社に必ず相談してからが良いです。
そして、原付の事故は物損事故もかなり長引くことが多いです。原付の場合は、時価が低いことが多く、部品代も高いため、全損扱いとなることが多いです。全損となりますと時価額の賠償となりますので、修理代金分を補償してもらえず、示談難航するケースがとても多いです。原付を使っておられる方は、通勤・通学・その他買い物等の日常的な足として使用されている方が多く、乗れたら良いので修理してほしいという方が多く、賠償額がそれに達せず示談難航するケースが多いです。
更に、原付の場合は、任意保険に加入していないケースも多いです。そのため、過失交渉等全てを相手本人と保険会社がすることになり、どうしても専門的な話を理解するのが難しいため、保険会社同士の交渉よりも示談交渉が難航するケースが多いです。
また、保険に加入していたとしても原付の車両保険というものがありません。原付は転倒や盗難が多いため、車両保険を引き受けしていないのが現状です。こういったことから自分で転倒してしまった場合は保険は効きませんし、相手がある場合でも相手からの賠償額以外の自分の過失割合分については自分で負担しないといけませんので、原付との事故は示談難航するケースが多いです。
また、原付の場合は全てではありませんが、学生の方や未成年の方等が気軽に運転されている場合も多いです。このような場合には事故が起きた時に事故の当事者以外に親御さんとのお話合いに発展するケースもあり、事故当事者と親御さんの主張に食い違いがあるケースもあって示談が難しくなることがあります。